仕様相談

鋳鋼品(鋳物)であれば、お客様側の部品設計段階から、形状や材質をはじめ、最もお客様にとってメリットのある仕様をお客様と一緒に考えさせて頂きます。
3D-CADデータでの情報交換により、速度と正確性を両立した設計工程を実現致します。既にお客様の方で決定している仕様(図面等)があれば、実製造を踏まえた検討を実施し、お客様のご要望を満たせることを確認致します。

納入仕様図作成

ご依頼製品に対する仕様(形状・材質・製作条件)を織り込んだ最終製作図面を作成し、お届けの状態をご連絡させて頂きます。
機械加工や表面処理を施工した完成部品でしたら、その完成状態での仕様をご案内致しますが、鋳鋼(鋳物)素材状態や粗加工状態の場合は削り代や寸法測定基準を明記した最終製作図面をご案内させていただきます。当社出荷以降で追加の機械加工などがある場合は、加工代残寸法や寸法測定基準位置などの情報が大変お役に立てることも多く、下工程が円滑に進むよう配慮させていただいております。

鋳造設計

最終的に納入仕様でお届けするための鋳造方案設計を行います。凝固時の寸法変化や体積変化を予測し、予めどの程度模型(木型・発泡型・樹脂型)を大きく作るかの設定や変形を加味、若しくは防止するためのノウハウを多数織り込みます。 どの位置からどのように溶鋼を注ぎ入れるかの湯道設計、指向性凝固や健全内質を実現するための押し湯設計や凝固コントロールなどがあり、長年の実績で得られた独自の計算式により、それらを決定していきます。 更にはそれら鋳造方案設計が適切なものかどうかを、鋳造シミュレーション解析ソフトを用いて湯流れや凝固について事前検証致します。

模型制作

製品の原型となる模型にはポピュラーな木型のほかに、発泡(FM)型、樹脂型、アルミ型、金型などがあります。製造ロットや形状により最もお客様のコストメリットが出せる模型素材を選択致します。 仕様寸法精度や耐久性を考慮し模型素材を複数組み合わせる場合もあります。
模型製作では、前工程の鋳造方案設計で決定された内容をトレースし製作致します。 製造前の初期段階ではありますが、鋳造方案設計と模型制作の段階で、最終製品における品質の殆どが決まるといっても過言ではないくらい大変重要な工程となっております。

造型

製作した木型や発泡型などを使用し、実際に溶鋼を注ぎ入れるための砂型(鋳型)を製造します。この工程では、砂充填、耐火材塗布、砂型セット、鋳型乾燥などを行います。砂型には外郭形状を出すための主型と、内部形状を出すための中子があります。これらを複雑に組み合わせることであらゆる形状を製造することが可能です。難易度の高い複雑な製品になると、分割された砂型パーツが100個をゆうに超える場合もあります。特に内部形状は製品になった段階での寸法測定が困難なため、砂型セットの段階で最終製作図との相関を確認しながら寸法確認を実施します。

溶解

製品仕様として決められた合金成分にて金属材料を溶かしていきます。当社製造の殆どは自社ブランドの開発合金となりますが、JIS材質で求められる成分範囲よりも狭いエリアを狙います。 そのために受入れ検査で厳選された溶解原料を、化学反応などを加味した適切な順序とタイミングで投入します。 この順序とタイミングが定められた作業手順と異なった場合、同じ配合でも狙いの化学成分範囲に入らず、求める合金性能が得られない場合もあり、大変シビアな配慮が必要な工程となっております。
この工程では、我々が普段気にすることのない空気(大気)中にある、酸素・窒素・水素などの物質にも気を配ります。 高温溶融金属の状態ではこれら気体元素と合金元素が意図せず化学物質を形成することがあり、それらは不純物として合金の性能を下げてしまう場合があります。 不要な物質が生成しないよう対策を講じ、どうしても生成してしまう物質については弊社独自の特殊な製錬法で取り除き、狙いの合金性能を達成できるようにしております。

鋳込み

鋳型(砂型・金型)に溶鋼を流し込む工程となります。高温の金属が鋳型に注がれる湯口の位置と溶鋼の速度は緻密に計算されており、最も適切な設定で鋳型内空間を満たしていきます。
鋳型内に充填された高温の液体金属は、一気に鋳型を高温にし、燃焼ガスなどを発生させながら凝固していきます。その際に発生するガスなどは、鋳鋼品に巣穴等の不具合要因となるため外部に排出するための策を鋳型内外に多数講じております。 鋼塊を得るためのインゴット製造においても”鋳込み”を行い、必要な大きさと形状のインゴットケースに溶鋼を注ぎ入れます。

切断

鋳型から取り出された製品はショットブラストにより表面清掃され、湯道や押し湯を取り除き製品部分のみを残すための切断工程に入ります。 この切断においてもあらゆる配慮は必要で製品形状や大きさはもちろん、合金材質に見合った設備や温度状態で作業を行います。 この切断時には、製品の品質に関するあらゆる情報を最初にキャッチできることも多く、この段階で得られた情報は、下工程の検査部門だけでなく、上流の鋳造方案設計者や鋳型製造者などにデータがフィードバックされ、 製造を円滑に進めるとともに、更なる品質向上を実現するための関所としての機能も担っております。

仕上げ

切断によって大まかに押し湯や湯道が除去された製品は、表面の凹凸や鋳型接合部の細かなバリなどを丁寧に削り落としていきます。最終製作図を都度確認しながら、最終製品を意識した仕上げ作業を実施します。この仕上げ作業では、鋳鋼品の変形度合や寸法確認をおこなう中間検査としての工程を含んでおり、このタイミングにおいても得られたデータは上下工程へ向けてフィードバックされ下工程では矯正・寸法検査時の円滑作業に寄与し、鋳造技術者や鋳型製作者へは以後のリピート製造での品質向上と効率化の両面で有効に働いております。

熱処理

溶解によって狙いの合金成分を満たしてはいますが、殆どの合金では、この熱処理工程による金属組織の調質によってはじめて必要な合金性能が得られることとなります。 どの温度域で、どのように加熱し、どれくらいの時間保持するか、どのような速度で冷却するか、これらは金属学的な観点から得られた方法が個々の合金に対して設定され、必要な熱処理が合金種によっては2回、3回と施されていきます。 固い柔らかいなどの機械的性質だけでなく、物理的性質など金属機能にも影響するため、たいへん重要な工程となっております。

機械加工

製品仕様として機械加工を有している場合、旋盤やフライス盤、マシニングセンターなどを用いて、最終製作図通りの機械加工をおこないます。 形状や精度によりマシンを使い分け任意の形状を完成させるよう切削したり研削したりします。必要に応じてメッキや塗装などの表面処理を施し、完成品までを手掛けることが可能です。

検査

最終製作図通りに部品が完成しているかどうか、内質などは健全であるかなど、最終的な品質確認をおこなう工程となっております。 鋳肌出荷となるものは、下工程で使用する加工基準と合致した始点からの加工代確認をおこない、お客様へ渡ったあとに取り付ける部品の干渉チェックまでを配慮した緻密な検査を行ないます。 機械加工を施した精密な部品検査においては、恒温室で適正時間保持したのち、超精密三次元測定機などを用いて各種寸法を測り、最終製作図に実寸法を記入したものを作成し品質保証致します。

梱包・出荷

製品完成後は、パレット積みや木箱梱包など、製品を守る適切な梱包状態にて、お客様のもとへ製品をお届けさせて頂きます。機械加工品などは、ご指定などがありました場合は防錆油塗布などの前処理を行ったのちに梱包し出荷となります。

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